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寸詰まりについて

こんばんは、松本です。
昨夜に続き、今日は近畿大学農学部水産研究所から伺った話です。
瀬戸内など養殖がさかんに行われている海域に近い場所で、まれに寸詰まりの体系をした魚が釣れることがあります。
病気?化学物質による奇形?などの話を聞きますが、正確には卵の時に低酸素状態にさらされたことによるものです。
↓以下、近畿大学水産研究所からお聞きした内容です↓
放流されたマダイなどで時々みることがあると思いますが、体長が詰まっていて(寸詰まり)、脊椎骨に異常が認められるものがあります。
これは、一般の方がよく思われる奇形(化学物質などによる)ではなく、卵の時に低酸素状態にさらされたことによるものです。
種苗生産するときに、親魚の水槽から卵を集めて飼育水槽に収容するまでの間に人間が一休みしてしまうと、そういうことになるのです。
寸詰まりについては、生産効率と商品価値の低下に直結する問題ですので、きちんとデータをとっています。
寸詰まりについては、マダイの論文を
https://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/AN00379737_jp.html
で読むことができます。近畿大学水産研究所報告の9号に掲載されています。
また、カンパチの寸詰まりについては、無料で全文を読むことはできませんが、
https://www.blackwell-synergy.com/doi/abs/10.1111/j.1444-2906.2006.01158.x
日本語要約
https://www.miyagi.kopas.co.jp/JSFS/PUBS/FS/E_point/72-2e.html
胚発生期の酸素欠乏によるカンパチ脊椎骨椎体欠損の誘導
で読むことができます。
内容の一部を抜粋しますと、ブリ類人工種苗の脊椎骨異常の原因究明のため,カンパチを用い,胚発生期の酸素欠乏による脊椎骨椎体欠損の誘導を試みた。7 体節期の胚では DO12.5% の培養水へ 0.5 時間以上暴露すると,孵化仔魚に体節分節異常が誘導された。
また,嚢胚,1~2 体節,10 体節,15 体節,心臓搏動期の胚を DO12.5% の培養水へ2時間暴露した結果,体節形成期でのみ体節分節異常が誘導され,育成した稚魚は椎体欠損となった。これらより体節形成期での酸素欠乏がカンパチ人工種苗椎体欠損の原因の1 つである可能性が示された。
となります。

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