リールのドラグ調整でよく見かけるのは、乗船前や船上でリールからラインを引き出しながらドラグを締めたり緩めたりしている光景ですね。
しかし、たまに見かけますよね、鯛ラバを落として着底した後におもむろにラインを掴み、リールから引き出してドラグを調整している人。
その人たちは、なぜライン放出後にドラグ調整をしているのか?
ライン放出前に設定しているドラグ値と、放出後のドラグ値が違う
からです。
もしかすると、乗船前や船上でドラグ調整して「それで適正値」だと思っていませんか?
実際にドラグを効かせたいのは魚を掛けてから。
そうです、
ラインを放出している地点で理想的なドラグ値になっているかが重要
なのです。
では、なぜライン放出前に設定しているドラグ値と、放出後のドラグ値が違うのか?
基本的にドラグ力は、
ドラグ力=トルク/糸巻半径
となります。
単純計算になりますが、ラインをスプールいっぱいに巻いた状態の半径を2cmとし、その状態でのドラグ値を500gに設定したとします。放出後のスプールの半径を1cmとした場合、半径が1/2(半分)になるので、その地点でのドラグ値は1kgになります。
糸巻半径が小さくなればなるほどドラグ力はアップしていくので、ライン放出前で設定したドラグ値は、ライン放出後には設定したドラグ値よりも強くなります。
このことから、適切なドラグ設定は、ラインを放出している地点で調整することが理想的であるということになりますね。
言い換えれば、
魚が掛かる地点でドラグ調整をすることが理想的
ということになります。
ライン放出量が多くなるディープタイラバでは、なおさらこの方法で調整をすることが大切になります。
ここで注意すべきこと!!
逆に、ラインを巻き上げれば巻き上げるほどドラグが緩くなりますから、
魚が浮いてくれば徐々にドラグを強くしていく調整が必要
となります。
青物など浮いてきても横走りする魚に対しては、強くしていかないとどんどん走られてオマツリの原因になってしまいますから、魚が浮いてくれば徐々にドラグを強くしていきましょう。
リールのドラグ値を「正しく」設定すると、
「身切れ」「バラし」の防止
につながると思いますよ。
この機会に、ドラグの設定方法を見直してみましょう。